私語/
たもつ
わたしの私語の中に
あなたはいた
白い百合の花が
畑のようにどこまでも続き
そのようにあなたは
私語の中で
匂っている
しーっ
誰かがわたしの唇に
指を立てる
少し湿った感触で
あなたは匂いとともに
消えてしまった
いつかした
間違い探しに似ていたけれど
目を瞑ると思い出すことは
何ひとつとして無かった
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