詩集「詩遊人たち」読後感/三州生桑
 
感じることを、誰もが理解できるやうに表現してゐる。
これは意外に難しいことだ。

『ためいき

誰も知らないところで
こっそりと
こっそりと息を吐く
疲れた胸のうちを
二酸化炭素と一緒に吐き出す

気が付かれなくていいんだ
自分だって忘れてしまひたいんだから

いつか
光合成で
澄んだ空気に変はるといい』

◎土屋怜
土屋さんの言葉は力強く、読む人を粛然とさせる迫力がある。

『私のカラザ

やっとここまであるきました
あなたたちにささへられて

ひとりでがんばってたつもりでも
いつもだれかがそばにゐた

きづくと きづかないとはなしに

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