「春の嵐」/hiyoku
 
黄ばんだ桜を尻目に
散りゆく夕べ

かたこと、揺れる電車に
もれた音像の欠けら

差す 光の香り

目を細めれば

斜め下の彼女が微笑む
午後の車内

ポケットにつっこんで

窓越しに、消えたのは


春の嵐


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