片想い/クラウン
 
最初から決められた運命を
憎らしく思ってしまう

出会ったときから
彼はずっと両想い
私はそんな彼に
ずっと片想い

なのに時計の針だけは
私を置いてけぼりにしたまま
ただ前へ、前へと進む

立ち止まることも
振り返ることも
涙を流すこともない時計を
憎らしく思ってしまう

胸が締め付けられるようで
苦しくて、もがいて
涙が止まらないのに

涙の海に飲まれそうになっても
彼にだけは助け求めない
 
目を合わせるのが怖くて
目が合うと苦しくて
息もできない

だから私はもろい心に
人生最大の宝物を隠しながら
ひとり、これからを生きていく

ときに泣きながら
ときに笑いながら…
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