僕の獏、獏の僕/AB(なかほど)
 
当だったろ
その夜から会いに行ったんだよ
でもね
いつも いつも
涙と鼻水とよだれと同じ味の夢ばっかり
「お腹いっぱい
   でも今日の夢も
     おいしくなかったよ」
って言ったつもりはなかったんだけど
美味しくなかったのは
君だってわかっていたんだろ
オシッコかけたらガイコツ崩れた って夢
 どうして食べてくれなかったのさ
って
あれだけは食べても自慢になんないし
あとで怒られて
それでも母さんにかまってもらえたときに
嬉しそうな顔してたよ
半年はど経ってお姉ちゃんが帰って来て
四畳半の部屋はとんでもなく小さくなって
食べる夢もなくなったけど
あれ以来だね君に会うなんて
 見ている側から食べるなよ
って
すっかり大きくなった君にも
今夜の
この部屋はとても広いからね 

今日も不味いや}




  



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