春の雨/服部聖一
 
ゆきつく先は土に似て
朽ちた葉の色は赤
月は青く 冬の空はせまい

冬の雨はさびしいまなざしに似て
見つめることをこばみ続け 終わることがない

男と女のあらそい事のように変わりつづけ
気まぐれに
ほどけるようにゆるむ空気
冷たい雨粒

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