ある国の現実   〜モスクワで逝ったチェチェンの女戦士に捧ぐ〜/do_pi_can
 
何故?

と聞かれると,困ってしまう。

逆に聞き返したい,

「何故?」

何故,あなた方は,戦わないのか。

自分の運命や人生に対して,

ギリギリの戦いを挑まないのか。

私達は,

戦わねば生きていけない。

身体に巻いたプラスチック爆弾が

生と性の証なのだ。

明日が見えない,

昨日は,苦しみの連続でしかない。

殺戮は罪である。

が,我々の明日を奪い取る者達を滅ぼし,

子供達のために,明日を用意する事は,

美徳である。

夫は,既にない。

奴らが殺戮した。

父も,母も,

奴らの手によって,の
[次のページ]
戻る   Point(0)