かざぐるま/霜天
青を返してほしい
そんなふうに君の冬が終わる
言葉や言葉で、足りないものを補おうとすると
真ん中のあたりで呼吸が足りなくなって
いつも空っぽになる風に
くるくると回転してしまう
帰り道に、はぐれる手に
坂道を、君が春へ降りていく
足し算ですべてが、同化していけばいい
景色は同じになっていく
そんな声が聞こえてくる
待てなかった君の速度で
掴めずに振り返る音の深度を
抱いているようで
抱かれていたのは
まだ遠く
きっと僕らが落ちるために
青を返してほしい
突き刺さりそうな言葉の端を
慰めの夕暮れにほどくように
緩やかに融解していく
毎日や日常
そこに属していた君の視線は
斜めから
遠くなる人たちの背中に出会うために
いなくなるための色に
馴染みはじめていく
そうして
君の冬が終わる
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