四行詩(抄)/信天翁
 
ねこがにわすみでうかがっている
おいらのこころもうかがっている
   いぬが犬小屋でほえている
  おいらのこころもほえている

 はるのあらしが狂気するなかで
 いたいけなはなびらはさまよい
 にびいろの四次元もくうをきる
 つつじがおかのからすのように

      時間の回廊をめぐる
          落ち葉には
         いのちが映り
 いのちのなかには隻影がのこる

      空間の参道をてらす
           望月には
          幻影が映り
  幻影のなかには濁流が渦巻く
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