取り戻すんだ夢を/炭本 樹宏
真夜中の快楽
みなが寝静まった街灯が照らす清らかなアスファルト
遠き少年時代
束縛の鎖から放たれたかった
今はもてあます時間の中で
過去に生きている
こんなにも開放されると
こんなにも一人が怖い
すさんだ精神は
タバコの数だけ顕現する
いたたまれず 声をあげる
凍てつく空気は 僕を責める
つかまる つかまる
まだ 成熟した大人になりきれない僕は
微かな電磁波で 怯えている
広大な宇宙の中で触れ合う喜び
やさしい太陽の光が ありがたくも僕に
ふりそそぐ
あきらめはしない
生まれ変わってもいいんだ
僕は僕のパズルを解くんだ
コスモスを行き来するバスに乗って
あきらめた夢をとりもどすんだ
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