仮住い/霜天
 
ていくメモには
今日も余白しか残っていない
溶接される言い訳の効用は
今度こそは、と
決め付けるほどに
雨音も気にならなくなりますように
指折る姿勢で、時々に
僕らが何も持っていないこと




手折る、一日にも
行過ぎていくための
画策も
がらくたも
没頭する拡声器のための
演説を
用意する手紙の中に
行方は逃げていきますか
行方は逃げて、いきますか
ほどに
目を閉じるほどに
引き継ぐ感覚の長く巻かれる指先に
待っているから
逃げていけますか
いいのですか


さあ
いつかは落ちていく部屋を抜け出して
それほどに青は、どこまでいけるのか
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