弥生の桜/
逢坂桜
「いつか見た 景色のよう」と うそをつく
桜の前には 恋の墓標を
願わくば 桜の下にて 恋、捨てる
カケラも残すな 春の嵐に
祖母の眼に 桜の花は どう映る
いつの心に とらわれてるの
桜散る 眼を閉じた祖父 杖にぎる
動けないの? 動かないの
春、来ると 待ち遠しかった 花見の宴
恋が終わった ひとりになった
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