愛されるべき私/篠有里
持ち。
生まれ変わった私は、愛すべき匿名性から、名前のある愛されるべき存在へ!
私は、あなたにとってよき料理であるように
あなたにとても長いハンドルを持ったスプーンで、私を消費してもらう。
あなたを育てるその日はすべて産まれる私のため
お互いのためひどく欲しがる希望のない、その日その日を未来と呼ぶことができる。
しかし、瞬間の連続、その隙間に私たちがいれば
未来は、僅かな合い間を縫い合わせて、現存しているかもしれないとふと考える。
毎日残存することは、そのように生きていかなければならない私たちの
思考の根幹、および思考のための最低限の要求となり得るものであり
つたない私たちの生の全きを満たし、潤すもの、
そう、唯一の真実であるはずなのだ。
世界の終わりまで悪い夢を見よう
愛されるべき、私達。
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