虚像/
ラプンツエル
机の上に置いた
理科の問題集にそっと手を置いた
蝋燭の写真が1ページ目に居座っている
実像と虚像に私の心は囚われた
私は物体
直線という名の道に
ただ突き立つ物体
そして目の前には
小さく、そして遠き影の存在がある
それは実像だから
遠き存在だ
逆さの未来だと
安堵の吐息をこぼす
それでも気を抜けば
私は境界点の中にいる
あれは遠き存在だと
あれは逆さの未来だと
あれは実像だと
信じきった影は
今私の後ろにいる
そう今私の後ろに
虚像となって
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