およそ、ふたつ分の夜/霜天
定員オーバーで僕らがはみ出している
帰りたいと思う日に
飛び立てば振り返ることもせず
残されたふたりは
尖った庭に
削られていく
ような気がして
その行方は前向きに決定されている、らしい
今日も、夜に
裏返ると
どこまでも平面で、指先を掛ける場所もないので
どこからが君か、分からなくなってしまう
およそ、ふたつ分の夜に
曖昧になった僕らは
そこに並んで座っている
はずだった
明日になったら庭を今度は丸くしなきゃね
はっきりとしない君の声が漏れる
明日までに、どこまで戻れるだろうか、と
いつもより遠いことばかりが浮かんでくる
とりあえず笑い声で返しておくと
ここじゃないどこか、から
僕の声、だったはずのものが
零れた
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