助けはよほど遠い/たけ いたけ
 
つくした朝が始まる
胃の中だけには消化されなかった昨日の遺物が残っていた

俺は弾丸のような雪に祝福されたんだ
あまるく全身撃ちぬかれて

死だ死だ死だ死だ生だ
生だ死だ生だ死だ

(死ぬことによって産まれることがあるという強迫観念)
(灰色の雲は真っ白な雪を降らしてどこかへ消えてしまう)

まあるい塊は行き場所がわからないので
仕方なく自分の目に押し込んでみる
ギリギリという音がしている


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