海 月/
虹波
をなくしてゆく
太陽には適わなかった
少女も強烈な光は苦手らしく
その裸体は
たちまち海中の無数の色と同化して
僕の眸を攪乱した
近づくことのない夢
もうお別れなのかも知れない
ちくり
突然刺された気がした
少女は実は
僕の隣りで
憎めないくらいにかわいらしい束縛をしながら
微笑んでいるのかも知れない
気付いたら眠り込んでいた
少女が今まさに隣りにいた
遂に
夢が叶ってしまった
僕は海星になっていた
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