青い壜の中で/いねむり猫
 
自分を壊す試みに疲れて
ふと窓の外を見ると
静かに細かな雨が木々の葉を打っていた

今の私にはけっしてとどかない
やさしい雨に打たれているすべてがうらやましい

手を突き出して受けた雨は
やはり「私!」「私!」と叫んで
癒されることのない熱に蒸発していくことだろう

外にさまよい出て、ただ木々と一緒に雨に濡れていたい
目を閉じて、口を閉ざして、耳にはただやさしい雨の音だけを聴いて

そうすればきっと、私の体は豊かに肥えた土に溶けて
重い熱病の疲労が、心地よく冷やされていくことだろう

しかし、青い壜の中の私は
聞こえるはずのない雨音に耳をすませながら
自分一人だけで発光を続けるしかない
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