春の雪、キミの夢/mac
いつもの道を少し遅刻しそうな時間帯
僕はいつも通り自転車を走らせる
今日はちょっと寒くて
冬物のダッフルをタンスの奥から取り戻したよ
寒い日はわりと好きで
冷たい風に頬をはられ
僕はちょっと笑顔になる
そんな時青い空から
白いフワフワが降って来たよ
フワフワが全力疾走中の僕に総当りで
やっと僕はそれが雪だって気付いたんだ
もう桜の花も咲こうってのに
だんだん吹雪になってきて
一瞬視界を失ってしまい
僕は
キミの姿を見つけたんだ
いつまでも冬服で手袋とマフラーと
笑顔で、笑顔で、笑顔で。
僕は自転車のブレーキをギュッと握る
あんなに降っていた雪はすっかりあがってしまい
僕はまたペダルを踏み込む
そしていつもの坂を全力で上っていくんだ
春の雪、キミの夢
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