元年/
霜天
の
道幅を
両手を広げた私の世界よりも
少しだけ、広くした
まだ私は、めぐり逢えない
穏やかな波の声と
君をただ、待っていたい
継ぎ接ぎの床の隣から
また、私が零れていくから
受け止めてくれる手のひらの
君にまた、逢いたい
崩れていく過去の爪先が
いくつかの今日で、歩幅を間違える
途切れていく
花の、色
また何枚かの空が生まれた、のは
あの人が溶けた空白の余韻だ
この日も
履き違えた呼吸の向こうで
君たちがまた始まっていく
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