紡ぎ ほどく/
木立 悟
紡ぐからだが 紡がれる糸が
ほどかれてははばたく このからだこそが
また紡がれてゆく あなたへの言葉
魔が近づいてもはねのけはしません
あたたかさを捜す指で心臓を聴くうち
肌はそのまま肌になります
離れられない肌になります
晴れを歩くと紡がれる
冷たさの手にほどかれる
ひとりの冬の片手と片手
糸の翼にきしきしと鳴る
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