火曜下垂体/黒川排除 (oldsoup)
切り貼りの貼りの部分でくたばる依代
喉から手が出るほど近い火星
葉脈から抜いた腕どっちの青だ
別れ話の窓辺に砂州が現れ始めていた
鞠のような雲、雲のような都で落ち合う
鳥の骨遠ざかる東方はまだ雪という
切符に空いた穴を狐が横切り地べた
炎の前は火曜で下垂体であった
無闇なる月面街灯でも立てようか
沈黙のあと戦争のあといずれも荒野
ブルー・スクリーンの明かりで箱庭いつも朝
わたしはくらやみでおびえながら痣になる
ペリカンの口からあふれる液でよろける
ビルに垂直に建つビル特使の心臓ぶち抜く
乗りかかった舟に神も同席していた
プレハブ小屋の受話器に腕くくられたぼく
片目の象が砂糖の城で戦歴踏む
吹き抜ける風で癒える傷をもつ砂漠の昼
みんなして花屋の骨を覗きにくる
礼をするべく立っている父実に十年
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