東京/かのこ
いつも
手を伸ばす
その、チープさ
あなたは
最新の通信機器を
持ち歩いた
私を愛した
東京、
地を踏む足は
いつもと何も変わりないのに
あなたといると私は小さい
人込みに埋もれてしまう程に、小さい
そんな私を可愛いと言ってくれること
私は待っていた
十六歳の春は、東京に潰えて
あなたは
緑色のコンビニで
高カロリーと低カロリーを一度に摂取する
私は、何も要らないと言った
あなただけでいいと言った
東京、
あなたの愛した街と
あなたの愛した私と
鈍い色した空に浮かぶ
それとはリンクしない騒がしさと
十六歳の春は、あなたに潰えて
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