ディープブルー/yo-yo
 

どおおんと山を越えてくる
それは鯨 たぶん
そのとき大きな波の下で ひとは
ディープブルーに染まる


背中から背中へ流れる
かなしみの深さを ひとは
知ることができない
だれも暗がりの方は見ないから


風よりも遠いものに ひとの
手は届かなくて
小さな波を ひたすらに
送りつづける


それは 吐息のようなもので
とぎれとぎれに
生きることを継いでいる
手の先にひとの 温もりがあるといい


ふたたび鯨が たぶん
どおおんと山を越えるとき
空はなだらかに傾斜して ひとは
かなしみの深さを知る


山の向うには きっと
ディープブルーの海がある と




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