七つの短編詩「少年の青い揺り籠」/前田ふむふむ
 
せていましたね。
自分の勇姿を好きな彼女に見せるとも
もしあの日、雨が降っていたら

もし、あの日雨が降っていたら
あなたは家にいたでしょう
もし、あの日雨が降っていたら
あなたは唇を噛み締めて、
悔しがったことでしょう
もし、あの日雨が降っていたら
   あなたは病棟の肌色をした植物になんかに
   ならなかったでしょう。
もし、あの日雨が降っていたら

私は、太陽が照り返す路上を、
今日も傘をさして歩いています。




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