今日も、一日になる/霜天
で
今日が一日になる。今日も一日になる。どこ
か、中途半端で何も見えないことが落ちてき
て、汗ばんだ手の感触だけが残る。晴渡る君
は、生まれたその日を見に出かけて。空に魚
は泳ぎ疲れて、まだ、どこにもめぐり逢えな
い。私はわたしで、きみは君だった。単純な
ことほど遠くにあるらしい。呼び合う、その
ための責任。足跡の深さは、踏み越えた証拠
らしい。今日が一日になる。そのシンプルな
絵をここに飾る、そのための景色じゃなく。
鉄塔、空に刺さる
できれば泣いて欲しかった
手紙、未開
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