静かな風が吹き始めます(改)/青色銀河団
―――― 静かな風が吹き始めます。
感情は涙のようにあふれ、
バラの花びらは、
ぼくらをどこか知らない遠くへと誘うだろう。
ようやくちいさな春がやってきた。
ようやくちいさな春はやってきて、
白く輝く歩道の
青い影の涼しい小道。
小学校へと
続く道。
風薫る夏の日には
そっと紙飛行機を飛ばそう。
終わりのために始まりはあるのです、
と言った先生。
とてもずるい先生。
新しい果物のようにいつだって
ぼくらのいのちは収穫されているのだから。
鳥篭はすでに空っぽであり、
渦巻く雲のあの青い空は
もはや飛ぶためのものではないのだから。
きみの手のひらは
懐かしい夕陽の匂いがするね。
そうぼくら
都会に眠る者のたしなみとして、
羽はいつも黒く濡らし震わせていること。
食物を飲み下すとき
どこか遠くで静かに血を流すこと。
どんなに小さな傷口も細く古く
どこまでも続いているのだということ。
そして
ぼくらにとって
もはや
ささやかな恐怖だけが
生きる糧なのだということ。
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