風が吹くとき/LEO
 
あの手紙を
風に託したのは
去年の秋のこと

あのとき流した
涙の理由
忘れたふりして
送った月日の重たさも
体の一部にしたけれど
それも性分なんだと
開き直れば
今、吹く風の行方も
見えなくはない

今日、北から来た風が
明日、東から来ようと
何かが変わるわけじゃないし
あるべきままが
自分なんだと
へこむことはあっても
否定はしない

泣きながらでもいい
少し重たくなった
私の一部を風にのせて
さらりと飛ばしてしまおう

それでも、なお‥



いくつの季節が
廻ろうと
きみよ、どうか
返事を風に託して

あの丘の上
私は今日も
ひとすじの風を待っている


白いまま
何も書かれてはいない
手紙を
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