No.21部屋ルーム/カンチェルスキス
駐車場みたいなスペースにコンテナをいくつか並べて
カラオケ屋にしてみた、みたいなカラオケボックスだ。
No.21の部屋
おれは
ビールのジョッキを片手に微笑んでるポスターの女を
見つめていた
途中
グレイのジャケットに小豆色のシャツの白髪頭のおっさんが
入ってきた。
「いい女だねえ、あんたの彼女?」
「ママだよ」
「若いね」
「こう見えても更年期障害に悩まされてるんだ」
「えらく薄着なんだね」
「夏の女だからね」
「じゃあ」
「ああ」
おっさんはよろよろと出て行った。
壁の角に丸文字で落書きがあった。
Ayumi
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