「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
、共同風呂、それに二十畳ばかりの共同の居間があって、四十過ぎのよく肥えた住み込みの家政婦のマサさんが一人いるだけで、それも、食事を作ってくれるでもなし、各部屋を掃除して回ってくれるでもない。隣の部屋のおときばあさんが夜中に倒れたときでも、おろおろするだけでてんで役に立たず、結局一番元気なスエばあさんが近くの病院まで走って、背負うようにして先生を連れてきて、手遅れにならずに済んだ。それでも、だれもマサさんに文句を言わないのは、彼女がやたら朗らかで、何事にもこだわらず、例えば、ウメさんがしょっちゅう失禁しても、「年をとるってのは、赤ん坊に戻るってことだね。」と言ってカラッと笑って始末をしてくれるし、家
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