「ばあちゃんの不思議なラーメン」/do_pi_can
 
、息子と亭主の言い争う声が聞こえたような気がした。ラーメン屋のカウンターの熱気が、ばあちゃんの頬をなぜて通ったような気がした。

インスタントラーメンを手に取って袋をやぶいてみた。袋のやぶける音と同時に、今度は、はっきりと、息子の声が聞こえた。

「何で、そう、わからず屋なんだ。」と、怒鳴っていた。

「和幸、そんなに喧嘩ごしにならなくてもいいじゃないか。」

久しぶりに会ったのにと、ばあちゃんが言った。すると、亭主が目の前にいた。ばあちゃんは、嬉しくなった。

「ラーメン屋がこんな擬物のラーメンなんか食えるかい。とっとと、出てけ。」

「その考え方が古いんだよ。一口でいい
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