それはラブだった/ZUZU
きみがガンガン彫刻刀で
ぼくの胸を彫った
そりゃ彫った
彫って彫って彫った
彫刻等は曲がった
曲がり果ててもまだ彫った
とびちった粉末や
木片に汚れまみれて
きみは
こんなん出てきたよって
泣き笑いさ
それはラブだった
ああそれはラブだった
ラブのふたもじだった
埋もれていたんだ
もうなくなってしまったと
とおいとおいいつかに思い込んでしまっていたんだ
きみはそれから
すうっとうすくなって消えてしまった
おばけのように消えてしまった
すこしの微笑みをのこして
だってラブじゃん
それってラブじゃんって
ラブだった
それはラブだった
きみが見つけてくれた
だからぼくはもうなくさない
ぼくはもう忘れないよ
ラブだったんだ
それはラブだった
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