黒い崖(8)/信天翁
 
        はるかに遠ざかった
     その日から跡をつけてくる
    くらしのひびきとは無関係に
     名前も顔も知らないものが

        それはひょっとして
   墓碑のしたで待ち伏せしている
         影武者であろうか
      別世界の星に照らされた

あゝ 時代の片隅でうずくまっている
    にびいろをした非意識の団塊

戻る   Point(1)