シャーペンの芯とポテトチップス/新守山ダダマ
 
午前3時に シャーペンの芯が切れた
俺にとっての生命線だ
午前3時にシャーペンの芯が切れた
至急コンビニへ買いに行くのだが
シャーペンの芯だけ買うのは何かカッコ悪い
コンドームを買いに行くカップルに近い心理で
こんな時 俺はシャーペンの芯のついでに
食べる気もないポテトチップスを買ってしまう
こんな所でカッコつける必要もないが
こんな事でしかカッコつかない俺
過剰にカッコいい男と過剰にキレイな女が
過剰にモテはやされる格差社会
俺自身がこのポテトチップスと同じ ついでの存在だ
店員は事務的な顔で効率的に会計をこなし
俺は妙なやりきれなさから逃げるように店を出る
風がかなり冷たい
あたたかい缶コーヒーもついでに買えば良かった

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