春別れ。/杉田蝶子
 

春なんて要らぬと言われ白梅は ごめんごめんと俯いている

抱き合った十分に降る春雨は思い出に似てぬるくやさしい

言葉などなくて伝わる僕たちはいつものように別れる別れ

軋むほど力をこめた腕の中 軋む心を隠さず泣いた


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