未来図/前田ふむふむ
ることが感覚できた。わたしは、瞑目すると、躰は、ほとんど重さは無く、少し浮遊していて、ふらふらとする足元がおぼつかない粗密な機械を孕んでいる。知りたかった指先は錆びた歪んだ針を束ねたものをかたち作っていた。さらに、こころは水平線のうえにある重力の磁場の十字路で茫然と喘いでいた。そこでは、肉体も、血液も削ぎ落とされて、哀れな姿をさらして、寂れた軒下に蹲る影法師のような不規則に点滅する青白い発光している透明な物体がひとつあるだけだった。その紙切れのようなものにたいして、ある時はそよかぜが、ある時は重い岩石が、波のように押し寄せた。
耐えなければならない。しかし、凝視しなければならない。
なにが、わたしを満たすというのだろう。
過去の負債を整理しても、なにも満たされないだろう。
わたしは、十字路を気付かれずに静かに通り過ぎて、
風にそよぐ未来の道程の平面図をつかんでみる
白紙の中から滲む顔は無辜の少年のように美しかった。
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