未来図/前田ふむふむ
 

わたしは、この震える指先のなかを流れる満たされない血液の重さを推し量っていた。わずかに眼の中に残る記憶を辿り、心房が包む夜空に対峙して、透明な糸で繋がる星を撫ぜて、痛みを発する疼きの場所を見つけても、あるいは神経細胞の繊維の中で、滲みついた有罪と冤罪を判決記録で調べても、示されるのは、夥しい数であり、それらは、硬質な青々した空にジグソーパズルのように無理なく馴染んでいた。しかし、茫漠とした荒野の中で、わたしが自ら贖うべき数は、ひとつひとつ、積み上げれば、すべて痛々しい抑鬱になって、わたしを疲弊させていることがわかる。それにたいする醜い長文の弁解は、わたしから、重さをひとつひとつ、剥がしているこ
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