魔王と出逢った(縁側の記憶)/イズミナツキ
 
じゃないから
また逢えるんだから

結局は全て私の想像であって
魔王の正体はわからないし
もしかしたら幻だったのかもしれない
それでも私は歩む勇気を手に入れた

いや、幻なんかじゃない
あのマントの中の温もりは
確信を持って言える
幻なんかじゃない

私は
私達は
魔王と戦う勇者
恋と戦う勇者なんだ

私は縁側に座り
お茶をすすって
あの時のように
溜息を空へと放った

待ってて、魔王
いつかあなたのもとへ
私は
あなたを倒す勇者だから
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