『嘘』/
しろいぬ
口がぽっかりと虚ろに開いて
流れ出る偽りはシャボン玉のよう
つん と突付けば容易く壊れるそれに
見惚れているのは何故
皆、シャボン玉の間をすり抜けるように生活して
薄い薄い膜に全てを閉じ込めようとする
パンドラの空けた箱は もう少し頑丈にできていたね
人間がぎゅうぎゅうに詰まったソレは
ぼんやりと空に浮かんで
決壊の瞬間を揺れて待つ
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