一日の始まりの終わりに/紫音
 
を見遣り
飛び去る鳥を見送り

また何事もなく
立ち止まりもする


するする

ゆらゆら


眩暈の向こう側に
見える塔は果てしなく

迷いの先に
触れる顔はまぼろし


叫びだすほどの衝動もなく
走り出すほどの激情もなく

舞台に上げられた存在の
不器用な身勝手さ


小さくも大きい
ミニチュアのような脆いものを

あかぎれた細い指の中で
抱えて座り込む


星の数を数えながら
光に押し潰されないよう


顔を伏せる


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