無言/blue Ladybird
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言葉はいつも思いに足りないものだと
いつかの私は
ひたすら言葉を求めて歩いた。
夕闇に埋もれていく街の家々の屋根の
隅っこの隅っこに
何かがある気がした。
公園の木々を揺らし抜けてゆく風の
最後の最後のひとすじが辿り着くところに
何かがある気がした。
見上げたら落ちてきそうな星々の
一番ほのかな遠い薄い
見えそうで見えない小さな星に
何かがある気がした。
私はいつしか
ただ無言をつらぬくあなたに
私の心のすべてを伝えようとして
果てのない一方通行の道を歩き始めた。
あなたの言葉を求めていた。
何よりも
あなた
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