イルカの背中にオーロラの涙/りぃ
 
遥か彼方で優しさを込めました


オーロラの夜
砂浜に打ち上げられたイルカが僕を抱きしめました

良いよ
良いよ
僕はもう悲しくないから
君は海へ帰ってよ

涙を拭ってもどれほど海へ押しやっても
ビクともしない体はとても鮮やかにオーロラを映しとる

良いよ
良いよ
君が悲しみをくれるまでは
私だって此処を離れられないんだ

キュゥゥ、と
か細い声は七色になりました
僕はゆっくりとイルカの背中に手を伸ばしました
顔もくっつけて少し小さな涙をあげました

イルカは気持ち良さそうに目を細めて
小さく何か呟いて、そのまま海へ帰ってゆきました



いいよ
全ての罪を許してあげる
君が私にその煌く綺麗な涙をくれるのならね・・・

(そして作るわ、またはじめから、貴方が汚してしまった蒼い海を)


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