三人の少年/麻草郁
三人の少年が、遠くに浮かぶぼんやりとした輝きに目を奪われた。
「ああ、あの輝きが欲しいなあ」
輝きは彼達に名誉や富を与えてくれるように見えたし、何よりその輝きを見ていると彼達は心が安らいだ。
一人の少年は、輝きに至るまでの道筋を調べる為に、村の古老の家に行った。
一人の少年は、輝きに至るまでの道を、正しく進もうと決めた。
一人の少年は、とりあえず輝きを追いかけて走り出した。
一人目の少年が村の古老の家に着き、輝きの事を話すと、古老は言った。
「輝きへ至る道筋などはない、輝きをもう一度よく見なさい」
少年は、古老が答えをくれなかったので、ガッカリしてもとの場所に戻った。
古老
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