発光体/黒川排除 (oldsoup)
 
対岸の踊り迫る 長い夜長い川

家系図の末端より先真紫

きりつきりつハムをほおばるこわいかれ

星が目となる交わりを好む収容者

荒涼の涼を感じている裸

石柱転ぶ遠い狐を見間違え

赤かりし頃思い出し燃えているマット

空気という一個の器物を口に含む

あるひと手を挙げて進むにその手が垣根から見え

濁流たとえば一矢報いるためにひきい

雨拾うほらしずくだった

故国のかたちの氷持ち帰り転ぶ

クルーら羽を濡らして飛ぶ酒場街の漆黒

火けばだつ回帰線過ぐ矢の如き夜

素直になれない手は懐に砂と川

木目うつろにのぞく傷口机化現象

宵の宮の君出奉りて黒光りす

月光梳く朱の格子釣り鐘を閉ざし

鳥おまえは飛べわたしのつらさを蹴って

雲垂れてくる胸は腫れて
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