履歴書/
霜天
い場所で
新しくやってきた本の隙間
いつも二人分を眠ってやり過ごした
また春がやさしくなるねと
珈琲に慣れない夕暮れ時には
君が君から分離して
一握りの僕の記憶になっている
細胞へ染み渡っていく水分のような
ここにある自然として見上げている
もうどこにも一致しないはずの
埋め合わせとして
時々、君の口笛を真似してみようと思うけれど
僕はそこまで下手じゃないことにいつも、気付いて
どこへも行けなくなってしまう
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