鳥と子/
木立 悟
ふたつ失うかわりに
あたたかな雨を招び寄せた
終わらないはずの日の終わりに
鳥はじっとそばにいて
呑みこみつかれて眠る子を
明け方まで見つめていた
ひとりめざめた子のそばに
雨水に満ちた小さな器
ちぎれた陽のように浮かぶ花
水紋をつくりつづけていた
花の頭(こうべ) ひとりの子
花の腕(かいな) ひとりの子
うつら うつら
空に描かれた空をうたう
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