内在/葉leaf
 
いて、それは人の頭上にて一斉に裂開しては、空に向かって煮えたぎる液体生物を噴き上げる。

産毛を生やした時間の子供たちが、現世の庭で互いに破壊しあう。内臓をかきまぜあう、すると柱としての犯罪が一斉に林立する。眼球をつぶしあう、すると半球としての結婚が放射状に散らばる。子供たちの死体の上には夜が積み重ねられ、時間の陣痛は際限もなく照り輝く。

破壊された塩湖は稠密に雲を集める。湖底にそよぐ水たちは水圧によってたえず砕かれている。岩肌は水たちにまさぐられ、霊的な化粧は剥がされては棘矢となる。水中に突然現れる螺旋階段、それは約束のかけらだ。約束は塩湖のあらゆる火種をつらぬいていて、それゆえ破壊されている。一滴の生体は、いまや塩湖の無量の死と同義だ。

時間は世界を含み、世界は鉱石を含み、鉱石は時間を含んでいる。林の形をした虚無が官能的に破壊されると、新しく自生した街は小さな快楽の核にまぶされてゆく。鉱石という虚無の心臓、という雷の意味。次はどんな空が襲ってくるのかと、建物は意識をよじらせる。破壊された空の破壊、という新しい痛覚に、いくつもの部屋を与える。

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