マジシャンの末裔/LUKE
小説家と音楽家がまたやりあっている
どちらが芸術の王にふさわしいのかと
無数のワードとコードを
どこまでも高く積み上げていく
それを下から見上げなら
一人のうたうたいの少女が口ずさむ
勝負は一瞬で決まった
彼女は
指一本さえ動かすことなく
幼子をあやし
死の床の老人を慰めた
樹木を育み
より多くのミルクを世界にもたらした
時空を集める
クロスロード
人がとなえる唯一の魔法
芸術は彼女に授けられしものに
嫉妬し、憧れ、何より恐れた
彼女には
アーティストより
ミユージシャンがふさわしい
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