それぞれの時間/石川和広
 

Oくんが「おしっこ」という
だからぼくは「おしっこ」をとりにいく
静かな時間が流れる



流れた

もう4年もたった
どんどんわからないことが増える
みんなで過ごしたことも
その意味も確かにあるのだけれど

歯が浮くような疑問だが
障害って何だろうね
ぼくも病んだ心をもった
まっすぐに伸びる手
折れまがっていく
段差もあるけど
段差だけじゃないだろう

もう一度お話できるか考える
そのあとさきにふれる
今はこうとしか書けない
とてももどかしい

でも記憶は生きているんだ

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