HALLUCINATION ?/KADY
< HALLUCINATION ? >
2005.09.14
- EXE-7240 -
彼の思想は永遠運動を義務付けされた歯車のように
時を繰り返し
日々を繰り返していた
彼はゴミ捨て場の横に座り込み
通りを歩く人の群れを観察していた
それは標本のように簡単に分類される
それは帰巣本能があるかのように確実に目的地に向かっている
それは認識番号が刻印されているかのように無表情で歩いている
彼には理解できない
彼には認識番号はない
ないはずだ
彼の横でゴミをあさる野良猫が彼の名前を呼ぶ
「EXE−7240 君を仲間と認める。」
野良猫の目の奥
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